① 地域の学校として特色を出し、教育効果を高め、予算を効率よく使う。
② 学校と地域をつなぐ人が活躍し、子供が地域に愛着を持てるようにする。
学校は、子供の教育活動を行うと同時に、地域の拠点であり誇りであり、心のよりどころです。
子供たちは、地域に居住する様々な方々と接することや、活動やコミュニケーションを重ねるごとに地元の空気を吸い込み、愛着を持つようになります。そして、生まれ育った地域の経験をもとにして活躍し、ここに住もうとします。
学校の運営は、全国一律ではなく地域の特色を生かすことができます。人々の多様性を増し、持続可能な社会形成につなげるためにも、地域の学校として特色を出すことは大切なことです。
教育基本法改正で定められた義務教育の目標に向けて、義務教育学校が平成28年から始まりました。義務教育学校は、9年間を見通した教育活動をするため、教育効果も高くなります。また、地域の実情にもよりますが、小中の施設ををまとめることで、教育予算を効果的に使えると思います。
義務教育学校は、9年間を見通した教育活動をするため、教育効果も予算の効率も高く、地域の学校として特色を出しています。
小学校6年間、中学校3年間の教育活動も、同様ですが、長いスパンでの教育の全体像を描くためには、地域にずっと暮らしてきた方々、これからも住み続ける方々の、こんな人に育ってほしい、こんな地域にしたい、という願いが大切です。地域の力を必要としているのです。
地域の学校として、どんな学校にしたいのかは、地域の働きかけにかかっています。学校の情報に耳を傾け、意見を届け、活動にかかわっていくことです。
義務教育学校では、小学校の教科担任制も可能です。
教科担任制についての調査・研究結果によると、⓵授業の質の向上 ②小中の円滑な接続 ③多面的な児童理解 ④教師の負担軽減、などの効果が確認されています。
近くの小学校同士の連携や、地域の小中学校の連携、義務教育学校化によって、実現可能なことです。
関市では、ふるさと教育への予算が手厚く支給されており、関市への愛着を高めたいという多くの方々の願いが伝わってきます。
しかし、学校と地域の方々とのかかわりは十分とは言えません。地域の特色や歴史、文化財、産業、地域行事、多くの経験や技能をお持ちの方、子供とかかわりたいと思っている方々と学校は、まだまだ接点が不足しています。
その理由は、―つなぐ人― の存在が不足しているからです。学校の課題を理解し、地域の教育力を学校へ持ち込む、「つなぐ、地域の人の存在」なのです。
一般には、学校職員がする仕事だと思われています。しかしそれは、日常的に膨大な業務を抱え、何年かで転勤する学校職員では難しいことです。
地域の潤滑油のように様々な活動や人とかかわっていこうとしている方々に、是非ともお願いしたいことです。
また、地域の方々にとっても子供たちと接することで元気をもらい、生き生きとした日常を過ごすことになるでしょう。
私が勤務していた学校では、縫製のプロを含め、のべ十数名のご協力を得て、「家庭科でのミシン操作」について、実施しました。
一人の担任が、多くの児童とトラブルの相次ぐミシンに対応することは、たいへんなことなのですが、ご協力のおかげで児童に目が行き届き、児童は技能を身に着け満足することができました。
その上、ミシン操作を通して、児童とかかわり指導にご協力いただいた方々のお顔が、とても明るく生き生きとして見えました。
地域の活性化にもつながっていくのです。こんな素晴らしいことは、どんどん広めていかなければならないと思います。
子供たちは、日常的に地域の方々と活動を共にする中で、愛着を育むことでしょう。